夢をエサにビジネスする人、そして夢の叶え方の答えだけ欲しがる人

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最近、SNSの世界でよく目にする
「新しい肩書きができました」
「夢が形になりました」
「もうお金には困りません」

そんな言葉が軽やかに飛び交う時代。
でもその裏にある、地味で孤独な現実を、
どれだけの人が見ているのでしょうか。
“夢をエサにする人”と、“答えだけを欲しがる人”について、
少しだけ本音を綴ります。

「法人化できました」
「夢を叶えました」
「年収8桁です!」
「次はあなたの番です」

そんなふうに軽やかに語る彼女達の投稿に、
私はいつもイラってする。

「一緒に夢を叶えましょう」
「あなたにもできますよ」
思いっきりを見せた笑顔と
ハートマークを添えて差し伸べられるその手の下に、
「夢をエサにしたビジネス」の仕組みが
しっかりと張り巡らされていることを、
私は知っている。

夢を語るのは簡単。
希望に満ちた言葉は、
心にキラリと光を差し込む。

でも本当に夢を叶えるには、
言葉よりもずっと、
重たくて、
地味で、
時間のかかる現実がある。

現実の法人化は、登記するだけで済む話ではない。
華やかに見えて、実は書類と手続きと孤独の山。
数字と責任と、できなかった時の覚悟。
それが夢の中身だ。

だから、
「わたしみたいになりたいでしょ?」と
を見せながら語るその姿に、
時に私は吐き気すら覚える。
演出された夢の裏にある、
見えない現実を見てしまうから。

 

それから
私たちの店に一度も来たことがない。
空間も、料理も、思いも、何ひとつ味わっていないのに
「どうやって酒類販売免許とったの?電話でサクッと教えてよ」
と電話で聞いてきた図々しいくて無神経な同業者。
も同類。

「酒類販売免許」

確かに、言葉にすればそれだけ。
でもそのひと言の裏には・・・

建築屋さんとの図面修正のやり取り
税理士さん
保健所との押し問答、
税務署との面談、
警察署、
法務局、
役場、
振興局・・・。

無数の時間と神経と、ため息と、
背筋を正す責任が詰まっている。

それを電話で「サクッと教えて」と言われた時、
殴り掛かりそうになった。(元癇癪道代表)

「努力の部分はカット編集で。
答えだけちょうだい」と言われたような気がした。

数秒で、何年分の苦労を奪われるような、あの感覚。

夢を「餌」にビジネスする人。
努力を省略し咲いた花だけもぎ取ろうとする人。
形は違っても、本質は同じ。
過程を軽く扱い、
成果だけを欲しがるその姿勢に、
共通するものがある。

 

 

私は、
夢を抱えてもがき、1人静かな闘い、
深夜にひたすら検索
申請書を書き直し続け、
頼る人が誰もいない中で判断と決断を下す。
それでも手を止めず、カッコ悪くても、
遅くても自分の足で前に進む人が好きだ。

だから
「誰かの努力を踏み台にしていないか?」
「自分の情熱が、誰かの“養分”にされていないか?」
そういつも自問している。

 

「努力の上澄み」だけを欲しがる人より、
泥水の底から掬い上げた大事な何かを
大切にする人でありたい。

 

元・癇癪道代表 マダム悠華
今夜は泡で乾杯。サタデーナイトフィーバー。

 

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